法定相続人の範囲に含まれている人でも、相続人になれない人がいます。
①被相続人を死亡に至らせた(至らせようとした)ために刑に処せられた者
②自分より先順位(もしくは同順位)の相続人を死亡に至らせた(至らせようとした)ために刑に処せられた者
③被相続人の殺害されたことを知っていて告発しなかった者(但し例外あり)
④詐欺・強迫によって、被相続人が遺言すること、撤回すること、取り消すこと、変更することを妨げた者
⑤逆に、詐欺・強迫によって、被相続人が遺言すること、撤回すること、取り消すこと、変更することをさせた者
⑥遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者
①②③は、小説やサスペンス映画みたいな感じですね。
④⑤は注意が必要です。
親を脅かして遺言書を書かせることは以ての外ですが、そういうつもりではなくても言葉が強くなってしまうことはあるかもしれません。
遺言者に精神的な負担をかけることはあってはなりません。
⑥も要注意です。
親の自筆証書遺言を預かっていて、親が遺言書を書き換えたので「破棄しておいてくれ」と言われたとしても絶対にやってはいけません。
破棄するのは遺言者本人です。
犯罪が欠格事由なのは当然ですが、うっかり欠格事由に該当してしまうことのないように注意しましょう。
第891条 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者