依頼人の悩みは「定型」ではありません。
様々な要素が含まれた固有の悩みであることが当り前です。
それに対して私達が提供できるサービスは「こっちの都合」で決まっているのですから、依頼人の問題解決のためにはアレンジが必要です。
何故か「自分の都合」で仕事を途中で止める【法律家】の事例が続きました。
<依頼人>
高齢の女性
<依頼人の希望>
再婚同士の夫婦のうち、夫が2年前に死亡。相続人は前妻の子3名と後妻である依頼者。
相続財産は、自宅マンションと銀行預金であり、原則すべてを後妻(依頼者)が相続したい。
<経 緯>
夫の死亡後、ある【法律家】に相続手続きを依頼したところ、自宅マンションを依頼者の名義にしたところで業務が中断。
残った銀行預金についても手続きを進めるよう催促すると「銀行預金については依頼を受けていない。今更引き受けられない」との回答をされ、理由や経過の説明もされませんでした。
困った依頼者は銀行に相談し、支店長から私に「相続手続きの相談に乗ってほしい」という連絡が来ることになります。
<問題点>
前任の【法律家】が作成した遺産分割協議書では、銀行預金の相続手続きが出来ない内容になっていました。
そのため、あらためて遺産分割協議書を作成する必要がありましたが、前妻の子3名は関西在住で、実父とは疎遠で感情的にも良く思っていないとのことでした。
<結 果>
①前任の【法律家】に対応を求めることは事実上困難であると判断し、前妻の子3名に丁寧に事情を説明する手紙を送り、協力を求めました。
②前妻の子からは、既に一度、遺産分割協議書を作成しているのに、何故また作成するのかという当然の疑問が返ってきました。
③前任者の手続内容や、依頼者の老後の生活について説明し、あらためて協力を求めたところ、前妻の子らは、実父のことで煩わしい思いをすることを避けたいだけで、もともと自分達は遺産を相続する意思はないとの回答を得られました。
④その後、必要書類を作成し、無事に銀行預金全額を依頼者に払戻すことが出来ました。
<ポイント>
「法律家」と言っても様々です。専門知識は当然ですが、それ以前に「どういう人物か」という部分はとても重要です。