嫡出推定が及ばない場合の父子関係に対して「認知」の規定があります。
認知は、父親が、その子について父子関係があると認めるもので届出あるいは遺言によってすることができます。
また未成年者や成年被後見人でも認知をすることができます。
子が成年の場合は、その承諾を得なければ認知することができません。
生まれる前の胎児については、母の承諾を得れば認知することができます。
認知の効力は出生時にさかのぼって生じ、父母は認知は取り消すことができません。
ただし子や利害関係人は認知に対する反対の事実の主張をすることができます。
逆に父が認知しない場合に、子の側から認知するよう訴えを提起することができます。
第779条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。
第780条 認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。
第781条 認知は、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによってする。
2 認知は、遺言によっても、することができる。
第782条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。
第783条 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
2 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。
第784条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。
第785条 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。
第786条 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。
第787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。
第788条 第七百六十六条の規定は、父が認知する場合について準用する。
第789条 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
2 婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。
3 前二項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。