後見監督人とは、後見人がその権限を濫用しないように監督する人です。
被後見人は判断能力が欠けている人ですから自分で監督することができません。
後見監督人の職務は、
①後見人の事務を監督すること
②後見人が欠けたときに遅滞なく、その選任を家庭裁判所に請求すること
③急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること
④後見人と被後見人の利益が相反する行為について被後見人を代表すること
家庭裁判所が必要と認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求、又は職権により、後見監督人を選任できます。
未成年後見については、遺言でも指定することができます。
後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人になることができません。
当り前ですね。後見人に近すぎますから。
第848条 未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。
第849条 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。
第850条 後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。
第851条 後見監督人の職務は、次のとおりとする。
一 後見人の事務を監督すること。
二 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。
三 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。
四 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。
第852条 第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は後見監督人について、第八百四十条第三項及び第八百五十七条の二の規定は未成年後見監督人について、第八百四十三条第四項、第八百五十九条の二及び第八百五十九条の三の規定は成年後見監督人について準用する。