年末が近づくと個人事業主は確定申告のことが気になってきます。
年内に利益を調整するための“節税策”を検討されている方もいらっしゃるでしょう。
12月決算の会社も同様ですし、来年3月決算の会社だって、あっと言う間に期末を迎えます。
しかし税金の納税額ばかりに気をとられていると後で困ったことになるかも知れません。
◆「税金を払うくらいなら経費で使う」
100万円の経費を使っても税金が100万円減るわけではありません。単なる「無駄遣い」になってしまったら本末転倒です。
節税策は「利益圧縮・損金計上」の金額の大小だけではなく「資金流出する/しない」も大切な要素です。
◆ 金融機関の融資審査に影響する
無駄な資金流出をしない節税策なら良いのかと言えば、そうとは限りません。
事業運営上、金融機関から借入れをするのであれば、決算内容はとても重要です。赤字でなければ良いという単純なものではありません。
金融機関は融資した資金がきちんと返済されると判断できなければ融資しません。決算内容から導き出した「融資限度額」を超えると融資審査のハードルが非常に高くなるのです。
金融機関によって多少の違いはあるにせよ、概ね次の計算式が融資限度額の目安になります。
融資限度額 =(税引後利益+減価償却費)×10年分
業種業態によっては「10年分」が短くなることもあります。
つまり利益を圧縮すると融資枠も小さくなってしまうのです。
◆ 王道を行きましょう
適度な節税は勿論大切ですが、事業を安定して継続するには、利益を計上し、キャッシュフローを改善して、自己資本を厚くする努力を続けましょう。