せっかく相続した不動産を処分しなければならないこともあります。
事例をひとつご紹介します。
長年、面倒を見てきた叔母が亡くなり、築45年の分譲マンションを相続したが、片道2時間以上の遠方にあり、維持管理も困難なので売却処分したいという相談がありました。
【依頼者の心情】
遠方で一人暮らしだった叔母の世話で、これまで色々と苦労してきた。
今後の手続きで煩わしい思いはしたくないので、時間をかけずに早くスッキリしたい。
【経過】
①売却価格の市場調査 ➡︎ エンドユーザー価格は、即入居可能な状態で900万円程度。但し、本物件はトイレ以外は分譲時のままなので、最低でもキッチン廻りと浴室はリフォームが必要な状態。
②リフォーム費用の見積り ➡︎ 必要最低限で300万円以上。依頼者自身が先行してリフォーム費用を負担することは困難であり、且つ売却までに時間がかかるため断念。
③リノベーション業者のコンペ ➡︎ 沿線の市場調査の際に、中古マンションのリノベーション物件が複数存在することを知り、現状有姿で買い取りをする業者10社に入札を提案。依頼者には価格よりもスピード優先の方法であることを事前に説明。
【結果】
10社のうち入札に参加したのは3社。最高値は700万円超。2番手600万円、3番手500万円弱。本物件と同じ団地内でフルリノベーション物件の販売実績があった会社が落札。結果として、好条件での売却が出来、依頼者も大変満足した。
<ポイント>
一般的には価格が安くなることが多い「業者買取り」ですが、競争入札によって価格を上げることも可能です。但し、複数の業者をトラブル無く仕切る「調整力」が必要です。