家族信託の活用〔遺言や後見制度の補完〕

Aさん(85歳)と妻Bさん(83歳)はAさん所有の自宅に二人で住んでおり、年金と預貯金で生活しています。

子供(長男・二男)とは別々に暮らしていますが、しっかり者で家庭もある二男に対して、長男は浪費癖があり未だに独身で、以前Aさんは長男の借金の肩代わりをしたこともあります。

Aさんは自分の死後、長男が妻Bさんの生活を脅かすことになるのではないかと心配です。

そこで、自宅不動産を妻Bさんに相続させ、Bさんの世話をすることを条件に預貯金をすべて二男に相続させる遺言を作成しようと考えました。

 

遺言と後見制度の問題点

この遺言に対して長男が素直に従ってくれればよいのですが、遺留分を請求される可能性は否定できません。

またAさんの死後、Bさんが認知症になると成年後見制度を利用する可能性が出てきます。

例えば、認知症が進行し施設への入所費用を捻出するため、自宅不動産を処分するには成年後見人を選任しなければなりません。(自宅不動産の処分には裁判所の許可も必要です)

最近は親族が成年後見人に選任されることが制限される傾向にありますので、弁護士等の専門職後見人が選任され、それに対する費用負担も必要です。

そして子供が親の財産管理から外されることになります。

 

家族信託という選択肢

Aさんの財産を二男(Sさん)に信託する契約を締結します。

Aさんが存命中はAさん自身が、Aさんが亡くなった後はSさんが財産を管理し、Bさんの生活を支えていきます。

信託することによって、Aさんの財産はAさんの相続財産ではなくなるので、長男の権利の問題は起こりません。

また将来AさんやBさんが認知症になっても成年後見人の影響を受けることなく、Sさんが財産を管理・処分することが出来るのです。

『あっても困る遺言書』にしないために必要なこと

最近は“終活”に対する関心が高まり、遺言書を作成される方が増えています。


しかし残念ながら、せっかく作った遺言書が「あっても困る遺言書」「揉め事のタネになる遺言書」になってしまっているケースも少なからずあります。


遺言書は「法律上の形式」に沿って作成しなければなりませんが「表面的な法律論」だけで作成すると「想定外」のトラブルを生むこともあります。


 


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