遺留分を持つ相続人は、自分の遺留分に足りない遺産を取り戻す請求をすることができます。
この権利を遺留分減殺請求権といいます。
遺留分は、相続開始のときにあった財産だけではなく、その1年前までの贈与財産も含めて算定されます。
なお、遺留分減殺請求権は、相続開始を知ったときから1年間行使しないとき、相続開始から10年経過したときに時効消滅します。
遺言書作成に際して最も大切なことは遺言者の遺志だと思います。
しかし遺留分という制度がある以上、容易に想定できる争いは避けたいものです。
相続人の理解を得るための工夫も必要かもしれません。
第1029条 遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。
第1030条 贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
第1031条 遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。
第1042条 減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。