管理会社設立による節税

b5ce9e13feb240bebdcbecfffe7e0211_m不動産管理会社とは、オーナーが所有しているアパートやマンションの入居者管理や建物管理をする会社です。

一般的には専業の管理会社に管理を委託することが多いと思います。

一方でアパート・マンションのオーナーが自ら管理会社を設立運営しているケースも良くあります。

その目的は、大切な資産を自分の手で管理したい方や、自分の仕事として生き甲斐をもって取り組んでいる方もいらっしゃいますが、多くの方は「節税」を目的としているのではないでしょうか。

アパート・マンション経営をしていて賃料収入が増えてきたときに、なぜ管理会社を設立運営すると節税になるのかを確認してみましょう。

 

《管理会社設立の3つのメリット》

【1】法人にすることで税率が下がる

これまでも消費税増税や相続税増税について触れてきましたが、実は所得税も増税されます。

ご存知のとおり所得税は累進課税(所得が多くなるほど税率が高くなる)という課税方式です。

そのため不動産賃貸経営をしていて所得が多くなると税率がどんどん高くなってしまいます。

現在の所得税の最高税率は所得1800万円を超える部分について40%、更に復興税と住民税が課税されます。

平成27年から所得4000万円を超える部分について最高税率が45%となります。(もちろん復興税、住民税も課税されます。)

一方、法人に対する課税は減税の方向です。

以前から日本の法人税は諸外国に比べて高く、そのために国内企業は税率の低い海外へ拠点を移し、逆に外国企業を日本へ呼び込めず、日本の法人税収が上がらないという批判がありました。

それに対応して法人税は減税される方向ですので、法人税と所得税の税率の差がメリットになります。

 

【2】給与所得控除を受けられる

不動産収入を直接オーナー個人で受け取ると必要経費を引いた残りが不動産所得として課税されますが、不動産収入の一部を管理会社の売上とし、そこから給与として受け取れば給与所得となります。

サラリーマンの給料と一緒です。

給与所得であれば「給与所得控除」を受けられますからその分の課税金額が減ります。

例えば年間700万円を給与とすれば給与所得控除は190万円ですから、課税対象は510万円となります。

 

【3】法人であることにより活用できる制度

例えば生命保険に加入する際、保険の種類によっては支払保険料を必要経費とすることができます。

また小規模企業共済に加入できますから、掛金を必要経費としながら将来に備えることができます。

税制上の減価償却費も、個人事業であれば強制償却されますが法人は任意償却でき、その年度の決算に合わせて調整することも可能です。

これらについてはそれぞれの専門家にご相談されることをお勧めします。

 

【デメリット】

1.法人設立費用
自分で手続きをすれば、株式会社の場合約20万円、合同会社であれば約6万円です。
その後のメリットを考えればデメリットとして挙げるほどではありませんが…。

2.法人住民税の均等割
赤字でも税金が最低7万円かかります。一般的に不動産管理会社で赤字になることは考えにくいですが…。

3.税理士費用
これも当然必要な費用です。
不動産管理会社の設立を検討されるレベルであれば、きっと個人の確定申告も会計事務所に依頼されている方が多いと思います。
もちろん個人の確定申告よりも費用は増えると思いますが、それ以上の効果が期待できれば良いのではないでしょうか。

4.社会保険の加入義務
法人にすると社会保険の加入義務が生じます。
しかしこれはデメリットではなくメリットであると言えるかもしれません。

 

《管理会社の管理形態3種類》

ひと言で不動産管理会社といっても「やり方」は大きく分けて3種類あります。

【管理委託方式】

オーナーやその家族が管理会社の役員・社員として、管理業務を行ないます。
管理会社はオーナーから賃料収入の一部を管理料として徴収し、オーナーや家族に役員報酬や給料を支払います。
税務上、管理料の上限は10%程度だと言われていますので、あまり多額の管理料は設定できません。

【転貸方式(サブリース方式)】

オーナー所有のアパート・マンションを丸ごと一括して管理会社が借り上げます。それを管理会社が貸主として直接入居者と賃貸借契約を結びます。
例えばオーナーから賃料8万円で借り上げ、入居者に賃料10万円で貸す、というイメージです。差額の2万円が管理会社の収益となり、オーナーや家族の給料の原資となります。
この場合の差額賃料の上限は20%程度とされることが多いようです。
差額をあまり大きく設定すると不当に利益を調整した「脱税」と判断される恐れがあります。

【直接所有方式】

前述の2例の場合、不動産の所有者はオーナーですから、賃料収入の大部分は当然オーナーのものです。
管理委託やサブリースによって収入を管理会社へ分散すると言っても限界があります。
そこでアパート・マンション自体をオーナーから管理会社へ売却してしまいます。
そうすれば賃料収入はすべて管理会社のものになります。
但し売却するのは建物のみで敷地はオーナーが継続して所有します。

【まとめ】

管理会社を使って賃料収入を分散させることはオーナーの所得税の節税につながります。
また一方では相続税の節税につながる面もあると考えられます。
収入を分散させることにより、オーナーが“蓄える”相続財産の増加を防ぎます。
生前贈与と同じ効果が得られ、相続人の納税資金準備にもなります。
資金を贈与した場合の贈与税よりも給料として受け取った場合の所得税・住民税のほうが負担が少なくなることが一般的です。

それぞれの事業規模や家族構成などによってケースバイケースですが、管理会社の設立運営はメリットを享受できることが多いです。
税理士などの専門家と相談のうえで実施されてみてはいかがでしょうか。

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私は22年間、不動産関連、相続対策関連のコンサルティング会社に所属し、その間、様々なご相談をいただき、解決のお手伝いをさせていただきました。


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