嫡出推定って何?

illust945DNA鑑定による血縁と、法律による父子関係のどちらを優先するのか?——— 7月17日に最高裁判所が出した判断については色々な報道がされています。

最高裁が下した判断についての是非は置いておき、頻繁に使われていた「嫡出推定」という言葉について確認しておきます。

大まかな考え方は次のとおりです。

■実親子と養親子
まず初めに親子には「実親子」と「養親子」という考え方があります。
養子縁組の手続きによって法律的に親子関係が成立するのが「養親子」です。
それに対して実際に血縁関係があるのが「実親子」です。
ちなみに法律的な権利義務は実子も養子も同じです。

■嫡出子と非嫡出子(婚外子)
法律上の親子には「嫡出子」と「婚外子」という考え方もあります。
「嫡出子」とは結婚している夫婦間に生まれた子供で、「婚外子」は結婚していない男女間に生まれた子供です。

■父親と母親
親子と言っても「父親」と「母親」では少し立場が異なります。
母親の場合は「懐胎」や「出産」という事実によって母子関係が成立しますが、父親にはそういう客観的に見てわかる事実はありません。
「婚外子」の場合の父子関係は「認知」によって成立します。
一方、「嫡出子」の父子関係については、今回のテーマである「嫡出推定」という考え方が登場します。

■嫡出推定
民法772条に次のように規定されています。
①妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
②婚姻成立の日から200日経過後、または婚姻の解消や取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

■推定される嫡出子
婚姻成立の日から201日目~離婚日から300日以内に生まれた子は「推定される嫡出子」とされ、夫の子と推定されます。

■推定されない嫡出子
婚姻成立の日から200日以内に生まれた子は「推定されない嫡出子」となりますが、嫡出子として届出をすれば受理されます。
区役所の窓口で出生届を出すときに「婚姻の日から200日以内ですね」などと確認されたりはしません。いわゆる「デキちゃった婚」がこれに当たるでしょう。

■嫡出推定の及ばない子
▽夫が失踪中(行方不明)
▽夫が出征中(戦地に赴いている)
▽夫が収監中(刑務所にいる)
▽夫が外国滞在中(長期間帰国していない)
などの間に生まれた子は「推定が及ばない子」として父子関係が否定されます。

 

「親子かどうか」というのは様々な権利義務に密接に関わる問題です。例えば「扶養義務」や「相続」が代表的な例と言えるでしょう。

民法という法律自体が古い法律なので、先日の「DNA鑑定による血縁か、法律による父子関係か」という裁判以外にも、法律が科学技術の進歩に対応しきれない事例があります。

法律制定当時にはまったく想定されていなかったことが、現実にたくさん出てきて裁判所に持ち込まれています。
例えば「第三者提供の精子による人工授精」「代理母」「凍結精子を用いた夫の死後の懐胎・出産」などです。

すべての人が満足できる法律が今すぐに出来るとは思いませんが、理想に近づけるように努力を重ねていくことが大切だと思います。

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