相続放棄の判断

bb88f32e47960401bc523ad883726785_s相続とは、亡くなった方の権利・義務をすべて引き継ぐことです。

不動産や預貯金などのプラスの財産だけとは限りません。

借入金などのマイナスの債務も引き継ぐことになります。

プラスの財産がマイナスの債務よりも大きければいいのですが、借入金や損害賠償責任などのマイナスの債務の方が大きい場合は、それを相続人が負担しなければならなくなります。

 

このような場合に相続(すべての権利・義務)を放棄することができます。

相続放棄は、相続人ひとりひとりが単独でもできますし、全員が放棄することもできます。

仮に多額の借金があることがわかっていても、相続の放棄ですから相続発生前(生前)に放棄することはできません。

 

相続放棄をできる期間は3ヶ月

被相続人が亡くなったとき、または相続の開始があったことを知ったときから、原則、3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申立をしなければなりません。

3ヶ月の期間中に亡くなった方の財産・債務を調査して、相続するか放棄するかの判断をする必要があります。

但し、例外として3ヶ月の期間が延長される場合もありますので、やむを得ない場合には専門家に相談した方が良いでしょう。

3ヶ月以内であっても、被相続人の預金を私的に消費したり、自動車の名義変更をすると、単純承認した(普通に相続した)と見なされますので相続放棄できなくなります。

通常の葬儀費用の支払いなどは遺産から支払うことを認められることもあります。

 

相続放棄の注意点

相続放棄をすると、はじめから相続人ではなかったことになります。

つまり法定相続人の順位が変わることがあります。

例えば、被相続人の多額の借金を理由に相続放棄をした場合に、そのことを親族にしっかり説明しておかないと、繰り上がった次順位の法定相続人(兄弟姉妹など)が知らずに借金を相続してしまう可能性があります。  

相続放棄はとても重大な判断ですから、充分に調査した上で慎重に検討するべきです。

尚、相続税の計算上は、相続放棄しても相続放棄がなかったものとして法定相続人の数を算定します。  

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