人が亡くなり相続が開始した後、その人が遺した遺産について、法定相続人全員で、誰が何をどれだけ相続するかを話し合って決めます。
この話し合いを遺産分割協議といいます。
例えば、ある男性A(被相続人)が亡くなり、その妻B・長男C・二男Dが法定相続人の場合、Aが遺言を遺していなければ、Aの遺産はBCDの共有となります。
仮に遺産が自宅の土地建物(不動産)と銀行預金であれば、BCDが法定相続割合での持分を有する状態です。
これを具体的に個々の財産として分けるために遺産分割協議を行ないます。
相続人同士の合意があれば、法定相続分に拘る必要はありませんから、自由に分割方法を決めることができます。
先程の例では、この家族の年齢によっても分割の方向性は変わるでしょう。
まだ比較的若い世帯で、子供が学生など未婚で同居していれば、配偶者が全ての遺産を相続することも多くあります。(子が未成年の場合は特別代理人の選任等の手続きが必要になります。)
あるいは既に独立し、長男二男がそれぞれ家族を持っていれば、残された母親との同居等も関係し、長男と二男の話し合いが中心になるかも知れません。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議を行なうには、法定相続人の確認と相続財産の把握が必要です。
相続財産が漏れているとその財産については未分割ということになりますので、あらためて分割協議をする必要があり、場合によっては従前の分割協議の内容に影響することも考えられます。
また遺産分割協議に参加すべき相続人が欠けている場合には、そもそも分割協議が無効です。
法定相続人が「配偶者と子」というシンプルなケースばかりとは限りません。
法定相続人の確認は慎重に行なう必要があります。
遺産分割協議によって分割方法が決まったら「遺産分割協議書」という書類を作成します。
この遺産分割協議書には法定相続人全員が署名し実印を押印する必要があります。
不動産の名義変更登記や預金払戻し等の銀行の手続きには、遺産分割協議書に相続人全員の印鑑登録証明書を添付し提出します。
遺産分割協議書の作成にあたっては、不動産の表示を登記簿とおりに記載する、各相続人は住所氏名を印鑑登録証明書とおりに記載するなどの注意も必要です。
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